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ボルゲーゼ美術館【Galleria Borghese】

ボルゲーゼ美術館の一部屋 博物館&美術館

 

現在美術館に展示されている美術品の多くは、枢機卿であり芸術家の重要なパトロンでもあったシピオーネ・ボルゲーゼによって収集されたものです。特にベルニーニに多くの作品を依頼しました。

この美術館に展示されている美術品の主な作者:

ベルニーニ、カノバ、カラバッジョ、コレッジョ、ジョルジョーネ、ピントゥリッキオ、ラファエロ、ルーベンス、ティツィアーノ

美術館の美しさには飾られている美術品だけでなく、豪華に飾られた建物自体も素晴らしいものです。

1階(8部屋)は彫刻、2階(10部屋)は絵画が展示されています。

玄関

ボルゲーゼ美術館の入り口の天井。

美術館の玄関には、美術品、彫刻、モザイクであふれています。

まずは天井です。天井いっぱいに古代ローマの偉大さを祝うフレスコ画が描かれています。ガリアの王を破った場面です。ガリア人は大まかにいうと今のフランス人の祖先と言われています。

ガリアの王の上立つローマの英雄フリオ・カミッロが描かれています。

周りを見ると多くの彫刻があります。これらは1600年、1700年代に修復されたものです。特に際立っているのは聖職者の服を着たローマの平和を築いたアウグストゥス皇帝の彫刻でしょう。

ボルゲーゼ美術館の玄関、ローマの戦士のモザイク。

最も貴重な作品はボルゲーゼ家所有地であるローマの近くのテッラノーヴァにあったモザイクです。壁から剥がされこの美術館に移されました。

4世紀の作品で剣闘士同士の戦いや剣闘士と猛獣との戦いの場面が、彼らの名前とその手柄と一緒にドラマチックに描かれています。

 

パオリーナの部屋

アントニオ・カノーヴァの作品、パオリーナの像

部屋の中央にはパオリーナ・ボルゲーゼ・ボナパルトの彫刻「勝利の女神」があります。パオリーナはナポレオンの妹で25歳の時にボルゲーゼ家当主の息子と結婚させられました。この結婚を祝して、彫刻家のアントニオ・カノーヴァに彼女の像を造らせました。

この像の周りにはトロイの英雄アイネイアースをモチーフにした5つの絵画があります。この英雄はトロイの大火事から逃れ、ローマのあるラツィオ州の海岸にたどり着きました。ローマ人はアイネイアースの末裔といわれています。

 

太陽の部屋

ベルニーニの作品、英雄ダビデ

この部屋の名前は天井に描かれたモチーフに由来します。

ギリシャ神話によると、太陽神アポロの息子パエトンは自分が太陽神の息子であることを証明するため、父に頼みこみ太陽の戦車を操縦しましたが、経験不足のためコントロールを失い、地上に大火事をもたらしたためゼウスによって雷で撃ち殺されてしまいます。

この部屋の一番の見どころは旧約聖書の英雄ダビデの像です。ペリシテ人との戦いで大男のゴリアテに石を投げつけやつける場面が記されています。

何より興味深いのはダビデの顔は彫刻家の自画像であることです。顔は青年のものです。ベルニーニがこの彫刻を完成させた1624年、彼はまだ若者でした。巨人ゴリアテに石を投げつける瞬間を表したこの旧約聖書の英雄を作り上げるにあたり、自分の自画像をダビデの像に記すことによって、ベルニーニ自身が芸術家として世界中に向かって挑戦していることを表したかったのです。

投げる瞬間のダビデの緊張感が伝わってくる表情や、縄や石を握った手などの細部の美しさは必見です。

 

アポロとダフネの部屋

ベルニーニの彫刻、アポロとダフネ。

ここで描かれている神話の一場面は、古代ローマの詩人オウィディウスの「変身物語」の中で描かれています。愛の神エロスの仕返しにより、黄金の矢(愛情を芽生えさせる矢)をいられたアポロはダフネに愛情を抱きますが、鉄の矢(愛情を拒絶する矢)をいられたダフネはアポロの愛情を拒絶し逃げ回ります。逃げ場がなくなったところでダフネは父親に助けを求め、姿を変えるよう頼みます。

この彫刻はダフネが月桂樹に姿を変えている場面。アポロがダフネに追いついたまさにその時、彼女の足先は根に、手と髪は小枝に姿を変えていました。アポロは彼女を掴もうとしますが、彼の指は彼女の体でなく木の樹皮に触れたのでした。

皇帝の部屋

ベルニーニのプロセピナの略奪の彫刻

部屋の名前はこの部屋にある皇帝の像に由来しますが、有名な作品はベルニーニの彫刻「プロセルピナの略奪」です。この神話もオウィディウスの「変身物語」の一つです。

ユーピテルとケレスの娘、プロセルピナはとても美しかったため冥界の王プルートは彼女に一目ぼれをし、誘拐しようとしている場面。

プロセルピナが必死にもがいて逃げようとしている様子が生々しく表されています。圧巻です。

1階の他の部屋

まず彫刻から名前をとった「ヘルマプロディートスの部屋」、このヘルマプロディートスは2世紀に複製されました。オリジナルはパリのルーブル美術館に展示されています。ボルゲーゼからナポレオンに売却された作品のうちの1つです。

そして「剣闘士の部屋」へと続きます。中心には1世紀に造られた「エフェソスのアガシアの像」(左手を高く上げ攻撃しようとしている剣闘士の像)があります。これは1600年代初めローマ近郊で発見され1808年にパリに移されました。

次は「古代エジプトの部屋」、エジプトの彫刻が集められています。天井の中央にはナイル川とその息子たち、洪水の恩恵、大地母神のキュベレーが描かれています。

天井にはアントニオとクレオパトラの人生の変遷を描いた8つの絵を見ることができます。

1階の最後の部屋は「シレノスの部屋」。こちらも森の神の名前からとっていますが、ここに置かれていた彫刻もナポレオンに売却されルーブル美術館に移されてしまいました。しかし、6点のカラバッジョの作品が展示されています。カラバッジョの自画像である「病めるバッカス」など。

 

 Piazzale del Museo Borghese

時間 : 火曜~日曜 8:30 – 19:30

要予約 : (+39) 06-32810